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第13回文学フリマ終了&新刊

またしても前回同様、文学フリマ後の告知(しかも、ギリギリまで作業が続いてたのでblogの方では新刊情報を書き忘れていた……という大失態)ですが、新刊『Kulturtrieb-G Vol.3』、完成しました。文学フリマでもご好評頂けてうれしい限りであります。

ktg03.jpg 新刊『Kulturtrieb-G Vol.3』
  特集1: メンズリブ×マゾヒズム
 特集2: 『魔法少女まどか☆マギカ』
 委託価格:1400円、A5、170頁(初版のみカラー口絵2頁)
 裏表紙の絵をあしらったポストカード付き(なくなり次第終了)
 表紙/裏表紙: 横田沙夜
 ※委託先は現在打診中


◇新刊 『Kulturtrieb-G』 Vol.3 (『KTG03』)
 
○特集1:メンズリブ×マゾヒズム――父権制倒錯からの解放あるいは緩やかな下降願望との戯れ
 
・鈴木真吾(@junk666) 「メンズリブとしてのマゾヒズム」
 
「メンズリブとしてのマゾヒズム」を主軸に、マゾッホ『毛皮を着たヴィーナス』、沼正三『家畜人ヤプー』、そして天野哲夫のマゾヒズム論や、森園みるくのマンガ『Beehive』、中世の女性上位表象……さらには男性研究に主軸をおいたジェンダー論や日本のメンズリブを、博覧強記に横断!
 
プレイやキャラクター付けのための「マゾヒズム」ではなく、強がりや意固地の「鎧」を外すための戦略としてマゾヒズムを切り口に父権制倒錯からの解放を示唆する、多彩なテクストを駆使した観念的マゾヒズム論。
 
・水嶋かおりん(@kaorinmizushima) 「鎧を剥いで」
日暮里ビザールクリニックに勤務する傍ら、『私は風俗嬢講師』(ぶんか社、2008)の著書を発表し、性戯の味方として各種イベントで活躍する水嶋かおりんによる、現場から見た肉体的マゾヒズム論。
 
性感、精神の両面から男の「鎧」を剥ぎ、よりよい男女関係を結ぶためのノウハウをレクチャー。
殿方のみならず、御婦人もぜひご一読あれ。
 
 
 
・松永英明(@kotono8) 「少子高齢化時代の選択的夫婦別姓議論と見えないジェンダー意識」
選択的夫婦別姓が可能な状況下、男は、女は、どちらの姓を選ぶのか。
 
「家」制度や「姓名」の起源を辿りながら、押し付けられる「姓」のあり方と、少子高齢化問題をめぐる幻想と、直面しつつある現実問題やその改善への提言。
 
○寄稿
 
・よこたたかお(@yokotatakao) 「自然科学と視覚芸術〈親和劇場〉におけるストリンドベリ」
nude、小金井バラックのを率いる演出家・劇場作家よこたたかおによる劇場論。
今回は『令嬢ジュリー』などの代表作で知られるストリンドベリの劇場に関する提言をてがかりに、どのような改革運動が行われてきたかを論じていく。
 
・ワラシナカヲリ(@kaori9608) 「『けいおん!』に学ぶべきこと――LM業界の今後について」
アニメ化いらい、留まるところを知らない『けいおん!』ブームの背後に隠れた楽器産業。
ブームの影響で好景気だと思われやすいその内幕や、ライセンスビジネスの抱える問題を暴く。
 
・伊織(@iori8250) 「三人展『Enigmarelle―亡骸への焦燥―』」
初台ザロフで行われた、剥製/骨格標本・ガスマスク・球体間接人形の合同展示「Enigmarelle」のリポート。
 
参加作家(ヒキムスビ、三上鳩広、萌)から提供頂いた写真を組み合わせたフォトエッセー風の、一味変わった雰囲気。
 
・Parsely(@parselymood) 「横田沙夜個展『兎頭のささやき』」
『奇刊クリルタイ』のParselyさんによる、『KTG02』の表紙・裏表紙、挿絵、そして今号でも表紙・挿絵・裏表紙を担当して頂いた、水彩画家 横田沙夜(qyokotasayo)の初個展リポート。
 
作品に描かれたモチーフの背景や、個展いらい横田作品のトレードマークにもなっている「兎頭の少女」の変遷を辿る、リポート+作家論。書き下ろしのモノクロ挿画も収録。
 
※β版サンプル(全文)公開中: http://t.co/FsJLcNry
横田沙夜: http://sayo.chu.jp/

 
相沢ナナコ(@nakotic) 「再び空を飛ぶために: 対象性文化人類学的『魔女の宅急便』雑感」
中沢新一の魔法に関する議論をてがかりに、魔女の宅急便に描かれた「魔法」と「少女」に関するエッセー。
『魔法少女まどか☆マギカ』特集への導入部として、「魔法って何だろう」と考えながらお読みください。

 
特集2:『魔法少女まどか☆マギカ』
2011年の前半に圧倒と的な話題をさらった『魔法少女まどか☆マギカ』に、多角的に迫る。
ゼロ年代的な批評、アニメ論とは程遠いひねくれ者たちによるキッカイな論集。
 
・よこたたかお「学園ドラマ論――試論」
アニメやマンガの定番な舞台として愛される「学園」という舞台で繰り広げられるドラマの試論。
「学園」の形成史を辿りながら、舞台としての「学園」を論ずる。
 
(編集より)
 本論は主として、ドラムdrameが演じられる舞台としての「学園」という空間に関するものであるため、『魔法少女まどか☆マギカ』に直接関連したものではない。とはいえ、「学園」という舞台は多くのマンガ・アニメに登場し、『まどか☆マギカ』においては、さやかの絶望をめぐるドラムが始まる起点として、重要な位置にある。
 まどかのドラムは主に家庭やほむらとの関係、マミは魔女との戦い、杏子は失われた家庭や、屋外におけるさやかとの関係に重点が置かれているが、さやかのドラムは、恭介との関係よりも「学園」に強い関わりを持っている。
 そういった点を意識しつつ、いわゆる「学園モノ」の観点から『まどか☆マギカ』を観照するための参照項として本論を読まれたい。また、本論における議論は、巻末の対談における著者の発言と関連する部分があるので、本論と対談を相互参照のこと。
 
・柏﨑和可子(@glasses0glasses)  「武器から見る魔法少女の変遷と『魔法少女まどか☆マギカ』」
 少女時代に見た魔法少女アニメにまつわる思い出を軸に、「武器」を持った魔法少女の歴史をたどる。魔法少女らしい武器を、現代兵器に持ち替えた魔法少女の向かう先と、その可能性とは……。

・鈴木真吾「男の削除、女性の男性性、そして少女を語る欲望――ジェンダー眼鏡から観照する『まどか☆マギカ』」
男が削除/周縁化された構図が特徴的な『まどか☆マギカ』を、ジェンダーを軸に読み解く。
 
 家庭内の性役割が逆転し鹿目家や、戦う少女という表象を、ハルバーシュタムの「女性の男性性」の議論や、それを『セーラームーン』や『りりかSOS』に援用して新しい男性性の可能性を論ずる熊田雄一、そして『戦闘美少女の精神分析』で知られる斉藤環の「戦闘美少女」や「ファリック・ガール」を参照し、「戦い」、「変身」、そして「少女」という表象と、「少女」を語る欲望に切り込んでいく……なぜ男たちは、男の削除された世界の「少女」を語りたがるのか。
 
・西貝怜(@possible_world) 「『魔法少女まどか☆マギカ』の希望について――タイムトラベルと時間的展望からの試論」
 タイムムトラベルを扱った多彩な文芸作品(小説、マンガ、アニメ、ゲーム)と『まどか☆マギカ』を比較し、過去(あるいは未来)に行き、何かを変えること/何かを知ることから生じる希望や、感情についての試論。論中では『クロノトリガー』や『クロノクス』といった懐かしい作品も登場するが、よくよく考えてみると『まどか☆マギカ』に近い構造を持っていたりもするなと気づかされる。
 
・渡辺健一郎「キュウべえ対ベルクソン」
 色物的なタイトルとは裏腹に、知覚や感情について、ベルクソンの『創造的進化』における議論や、インキュベーターの生態について、劇中で長々とした講釈をたれるキュウべえの見せる、「最終回での矛盾」を丹念に検証。
 
キュウべえ…「ぼくらは感情をもたない」とか言っておきながら、お前ってやつは……。
 
・座談会――「多角的に〈語る〉『魔法少女まどか☆まぎか』」
 鈴木、西貝、よこた、渡辺に倉田大輝を加えた、学習院大学表象文化研究会の前身である自主ゼミのメンバーによる座談会。「ゼロ年代」やアニメ批評、九0年代末の美少女ゲーム、排除される男性表象、ニコニコ動画の後押ししたまどマギ人気、「マミる/られ」その他諸々、かなりひねくれた視点から多角的に語り倒し、『まどか☆マギカ』のどのような要素が人を惹きつけるのかを考察。
 


 
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